意外と知られていないサブマリーナーの逆回転防止ベゼル

投稿者 : 近藤薫 on

以前に友人と話をしていたときのことなのですが、そのときに私が着けていたサブマリーナー(Ref.5513)の話題になったときに、少しベゼルを動かした瞬間「あれ?右回転はできないようになっているんじゃないの」と言われた事がありました。

その友人は時計の愛好家ではないものの、時計は複数所有しているしそれなりに知識はあるはずなのですが、サブマリーナーの回転ベゼルに当初は逆回転防止機能が装備されてなかったことを知らないとの事です。あまりアンティークに興味がなく、現行品を主にコレクトしてる友人なので知らないのは当たり前です。

この回転ベゼルについて、あまりご存じない方のために簡単に説明します。サブマリーナーのようなダイバーズウオッチの場合は、現在は高い防水性能だけでなく他にも満たさなければならない様々な必須項目が工業規格などによって定められています。その項目のひとつに目盛が付いていて、かつ逆回転防止機能がついた回転ベゼルを装備することが定められているのです。

この逆回転とはベゼルが右回転できないようにすることで、ダイバーズウオッチの回転ベゼルは経過時間を測定するために考案されているのです。つまりどれだけ潜っているのか潜水時間(酸素が残りどれだけもつか)を把握するためのものなのです。潜水中にこのベゼルが誤って右回転してしまうと潜り始めた時間が実際よりも後になってしまい。潜水時間が短く表示されてしまう可能性があります。それを防ぐために左にだけ回転できようにしているというわけです。

そして本題だが、回転ベゼルが代名詞でもあるサブマリーナーには、当初からこの逆回転防止機能が付いていたわけではなかったのです。調べるとこれが付いたのは実はサブマリーナー誕生から約26年後の1979年頃に登場し、サファイアクリスタル風防が初めて採用されたサブマリーナーデイト、Ref.16800からだったのです。アンティークのロレックスが好きな人は知っている方も多いと思いますが、もうかれこれ42年も前から逆回転防止機能付きということを思えば、知らないという人の方が多いのにも納得ですね。

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