ロレックスの中でも異色の存在感を放つミルガウスの第三世代Ref.116400は、今後、価格が急騰する可能性を秘めたモデルとして注目を集めてます。
フランス語で「Mille (1000)」を意味するその名の通り、ミルガウスの特徴は最大1000ガウス(8万A/m)という超磁気耐性を持つ時計です。
初代が発売された1954年当時、発電所や医療施設、研究所など磁器の強い現場で働いていた人々は、「磁気が原因で腕時計がすぐに壊れる」という悩みを抱えていました。磁気耐性がある腕時計は50~100ガウスが限界だった時代、ミルガウスの強力な耐久性は腕時計の革命として賞賛を浴びました。ロレックスにとっては、磁気耐性というコンセプトを自社の商品に取り入れた初の試みでもありました。
しかし、当時は耐磁気腕時計の需要があまりなかった事と、同時期にサブマリーナーやGMTマスター、エクスプローラー、デイデイトなどの人気モデルが続々と発売されたことで、ミルガウスは長年にわたりあまり人気が出るモデルではありませんでした。
イナズマ針を採用した個性的な文字盤のデザインも、あまり万人向けしないのが理由の一つでもありました。1970年代にはデザインを一新した第二世代(Ref .1019)を発表しましたが需要は伸びず、1988年には一時生産中止となりました。
初代モデルのイナズマ針、2代目モデルのポリッシュベゼルをイメージソースとして116400が発表されます。
登場は白黒の文字盤展開。
オレンジのカラーのイナズマ針は当初は賛否両論ありましたが、現在はミルガウスのアイコンの一つとなってます。
また、ロレックス唯一の風防を変えたモデル116600GVも発表します。GVとはフランス語でガラスが緑という意味なんだそうです。
こちらは緑の色味を考慮して偽物防止の王冠マークが存在しません。
インデックスも他のモデルとは違い、3.6.9がオレンジの夜光りです。
色のコントラストがとてもオシャレですね。
黒と緑とオレンジがちょうどいいカラーバランスを保っています。
2014年になるとZブルーという文字盤が追加されます。これはただのブルーではなくジルコニウムを含ませることで色味が他のサンレイのブルーより淡い色味になります。
すごく神秘的で特徴的なブルーですね。
現在はGVのみの展開となっておりますが、近い将来、モデルチェンジする可能性も高まっているため、全世代を通して今後さらなる値上がりが期待できるかも知れません。ロレックスの中でもコンセプト、ディテール共に異質な存在ミルガウス。今後の価格動向が気になるモデルです。